夢 VOL.2
2005年5月5日(木)
パンパカパーン! 貴州省のお猿さんは良く働きます。(※このお猿さん、足が動きペダルをこぐしくみになってました!) 『本物かと思ったー!』 と、山ちゃん(後述)。
貴陽のバスターミナルから凱里へ向かう。 車窓からは険しい山々のそここに苗(ミャオ)の家が点在する。 そんな風景を見ていて思った。 漢民族に追いやられた苗達は、自ら生活条件の厳しい山地に住み、山の斜面をも耕し、しびれる程の寒い冬、 うだる様な暑い夏を幾つも幾つも過ごしてきた。 そんな過酷な生活が彼らを逞しく、そして優しくしたのではないか。 ここには人の息吹がある。 刺繍がある。 織りがある。 猿がいる。(笑) 苗の勝ちだ! もう僕の心に大理はない。 今回の旅はそんな事を薄々感じ始めていた僕がそれを確認しに来た旅だったのでした。。。
1年ぶりの施洞、到着したその日は運良く、市(いち)が立っていた。 初めてこの施洞の地に立った96年のあの日も 市が立っていたなー。 そして苗さん達が『家へおいでー』と声を掛けてくれて鍋をご馳走してくれたっけ。 苗さん達の好客(お客さんを呼ぶのが大好き)は今も健在!
次から次へと近くの村から渡し舟に乗って苗さん達が集まって来ます。 この風景も変わってない。
施洞の代表的刺繍技法の破線繍を刺す為の切絵、これもみな自作です。 そして養蚕から染色まで全て手作りの刺繍糸、でも染めは全て化学染料で、草木染めを探す事は出来ませんでした。
この小母さんが作った施洞衣服の襟部分刺繍(推繍)を二つ買いました。
さーて、次なる訪問地は子供達の待つ台江。『このバスは、来るとき故障して3時間も待たされたから乗らないほうがいいよー』と友達苗さんが教えてくれたので、台江へはトラックに乗って行った。ところが、途中でパトカーに捕まりましたー! どうやら、荷台に人を乗せていたのがいけなかったらしく、荷台に陣取っていた満載の苗さん達はその場に置き去りに。。。我々は幸い、車内に座っていたのでセーフ!運転手さん罰金140元程、それと『正しい運転』みたいな本を15元で買わされていました。(運賃が8元/人だから、懲りずに荷台含め20人乗せて一回走れば、トントンかー)運転手さん、めげる事なく鼻歌を歌いながら再出発、途中でやーっぱり、荷台に人を乗せ始めましたー!
なんやかんやで、台江まで1時間のところ、今日はなんと2時間掛かりました。 フー。子供達はいつもよりもーっと首を長くして待っていてくれた様で。。。と、いうのも今回、JICAの隊員として貴陽大学で日本語を教えている山ちゃん(瑞の妹分)が貴陽から同行し、子供達に日本語を教えてくれる事になっていたのです。
到着した学校の黒板には、一度も日本語の授業を受けたことのない宋小英(中2)が日本語で『こんにちは』『ありがとうございます』『ようこそいらっしゃいませ』などと書いてくれていました!『佐藤さん』が『佐藤ちん』になっていて、可愛いかった!
大きな栗の木の下で~♪皆、大きな栗の木でなく大きな栗の木だと思っていたって。 くいしんぼー!
子供達、とっても喜んでいました! 有難うございました。
台江-凱里の途中、台江から30分程の所に、台盤(殳なし、タイパン)というとても美しい風景の村があります。いつも車で通り過ぎるだけでしたが、今回は初めて村へ足を踏み入れました。『家へおいで』と、誘われるままに入った一軒のお宅のベランダから見える景色は、なんともまあ絶景でした!
と、いうことで僕の夢は貴州省に落ち着いたのでした。 チャンチャン♪
禾苗刺繍学校に多くの子供達やお年寄りが集い、刺繍や織りを通して皆が喜びを感じながら苗族文化、伝統の継承をしてもらう。そして変わり行く台江の街に変わらない事の素晴らしさをも伝え、自分達で自分達の街を美しく綺麗な街にしていってもらう、そんなお手伝いが少しでも出来たら、いいなー 夢。。。