すべての記事

夢 VOL.1

中国三大GW(春節、労働節、国慶節)の労働節(5月1日)、1週間のお休みを利用し、雲南省の大理、そして貴州省の子供達に会いに行って来ました!

2005年5月1日(日)
雲南省の大理はかつて大理国が栄華を極め、風光明媚、一年中春の様な温暖な気候、そして白族の美しい街。

昆明-大理間はほんの30分のFlightだが、飛行機の揺れが酷く、着陸時も落ちる様にもの凄いスピードで『ドーン』と地面に着地。。。  風の影響なのだろうか、パイロットの技量のせいなのだろうか。日本ですら色々な事故が起きているのだから、中国で同じ様な事故が起きない訳がないと思うのは間違いだろうか。

到着した大理古城は市(いち)の真っ最中で、人でごった返していた。 早速、冷やかしていると足早に行き違った二人の少数民族女性の背中に、なにやら白っぽい丸い座布団の様なものが目に入った。
丸いものは白いフエルトが薄汚れたもので、その面に目玉の様なものが二つ、その目玉の上にまつげの様なものが二つ。。。何だろう? 暫くそのまま歩いたけれど、どうしても気になり、我慢できず、振り返って追い掛けた。『これなーに?』『パーパー』どうやら籠を背負うときの背当てらしい。  早速、恒例の追いはぎモードに入る。『これ、売るの?』『売る売る』『いくら?』少し考えて『50元』どう頑張っても40元にしかならなかったので、それでGetした。 彼女達は魏山の彙族だそうだ。でもこんなの買ってどーすんでしょう。その頃、瑞は瑞で『ブーツ』なんて言って、農業用ゴム長靴買ってるし。。。

籠を背負う時の背当「パーパー」
籠を背負う時の背当「パーパー」

  

 

イケてるっ 農業用ゴム長
イケてるっ 農業用ゴム長

困った夫婦だ。。。

8年ぶりの大理。 ここ古城へ来る迄の道といい、街並みといい、当時の大理とはすっかり様変わりだ。。。 古城のメインストリートの両側は所狭しとお土産屋さんが ズラーーーー。  西洋料理屋もどき(本当に不味くてガッカリでした)が ズラーーーー。  そして白族の皆さんも商売っけたーっぷり。  古かった城壁の門も色鮮やかに塗り替えられている。 古城なのに文化を感じられない、写真を撮る気すら起きなかった。。。

でも、朝晩の爽やかさ、青い空、そして沙平のMondayマーケットは健在だった。

 

沙平のMondayマーケット
沙平のMondayマーケット
色鮮やかで新鮮な野菜が並ぶ
色鮮やかで新鮮な野菜が並ぶ

そして、沙平から古城の対岸側へ向かうと双廊という湖畔の街があり、ここは昔ながらのたたずまいを残したとても素敵な村でした。

双廊の美しい町並み
双廊の美しい町並み
落ち着いた双廊の町並み
落ち着いた双廊の町並み

『いつか大理湖畔に家を建て、湖と古城背後にそびえる山を見ながらワインを飲むのが僕の夢』だった。でもこの8年間、貴州ばーっかり行っているので、きっと大理は僕の夢なんか忘れてしまったに違いない、と思って来たけど、その通りだった。。。
8年前、けたたましい鶏の鳴き声で目覚め、『鶏に起こされるなんて、子供の頃以来だ』と感激したが、その鶏の鳴き声も遠くへ行ってしまった。
8年前、世界中のバックパッカーが集っていたのに、今は殆どが中国人の観光客。『僕は8年前の方が良かったな。今の大理は土産物屋ストリートじゃないか』って言っても大理は『そんなこと知ったこっちゃないよ。 皆これで喜んでいるんだから!』……

丘の上から湖を眺めると確かに美しいが何か物足りない。すぐに飽きてしまいそうな。。。何故だろう?

高台から湖を望む
高台から湖を望む

大理が変わってしまったのか、自分が変わってしまったのか。どちらにせよ、以前の感動はもうなくなっていた。

大理を離れる日の朝、まだ夜が明けやらぬ、6時頃。 リヤカーに野菜を積んだ白族がしっとりと濡れた路を静かに行く。
あーっ、この風景!  大理は8年前のたたずまいをそっと僕に見せてくれた。
そっかー、大理も本当は昔の方が良かったんだね。