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北京に苗族博物館オープン!

 友人、王東旭さんの私設少数民族博物館『東韻博物館』が、2006年2月19日(日)に正式オープン、 そのセレモニーが執り行われました。 少数民族となってはいますが、苗(ミャオ)族刺繍が大好きな王さんの博物館、 主役はもちろん苗族刺繍、背帯(ねんねこ)、服装、刺繍片が溢れんばかり! 苗族刺繍ファンにはたまらん空間です!

館長の王さん
館長の王さん

刺繍博物館 館内

写真はスピーチをする王さんと、博物館内の様子です。 王さん、昔は腕のいい歯医者さんでした。
それから広告会社を興し事業はとても順調だったのですが、苗(ミャオ)族刺繍との出会いで、彼の人生は大きく方向を転換します。。。

 スピーチより:『私財を投売り、10年前 苗(ミャオ)族の刺繍を蒐集し始めた頃、周りの人達は「何故こんなものを集めるのか。 これはただの田舎の民芸品であって、骨董品でも芸術品でもないぞ」と言われました。しかし、私は苗族刺繍に芸術的素晴らしさを見出し、10年間、孤独と貧しさにさいなまれながらも、今日この日を迎える事が出来ました。』と。

ご本人も感無量のご様子。  私達も感動しました! 

1F展示品のほとんどが苗族の刺繍で、2Fはチベットやモンゴルの骨董家具等々。
 館中に一歩足を踏み入れると展示刺繍の数の多さに圧倒されますが、これでもまだ全体の五分の一程度だとか。。。
 溜息出ちゃいます。 ハァ~

左から、Peterさん・王さん・Gina Corriganさん  
左から、Peterさん・王さん・Gina Corriganさん

↑ 写真後ろの建物が王さん自ら設計して建てられた刺繍博物館です。 

Peterさん・Ginaさんはイギリス人ご夫妻、Ginaさんは旅行会社を興し、1988年には雲南省、貴州省へ、初めてのテキスタイルツアーを企画、そこで出会った布に恋をし、その後この地域のテキスタイルコレクションと衣装等の研究、記録を始められました。大英博物館の苗族刺繍は全て彼女が提供したものだそうです。そのコレクションを満載したGinaさんの本『Miao Textiles from China』、素晴らしい本です。

多分、Ginaさんは西洋人の中で最も貴州省を知り尽くされている方ではないでしょうか、貴州省旅行ガイドブック『Guizhou Province』の著者でもあります。 そして昨年出版された『Miao Embroidery From South West China』は苗族刺繍のテクニークを大変解りやすく説明されています。廃れ行く苗族刺繍の技術を後世に残そうという永久保存記録書で、この本の美しい写真は全て写真家でもある彼女ご自身で撮られたもの。 更に現在、この刺繍テクニーク本のイ同(ドン)族版、布衣(プイ)族版等を準備されているそうです。

↓ は「手作り館」のyoyoさん(http://www.asahi-net.or.jp/~cy4y-un/index.html)のご紹介、送って頂いたものですが、本当に美しい素晴らしい本です。

 

左上:『Guzhou Province』 右上:『Miao Textiles from China』左下:『Miao Embroidery From South West China』
左上:『Guzhou Province』 右上:『Miao Textiles from China』左下:『Miao Embroidery From South West

                       〔本の写真はyoyoさんご提供〕

しかし、驚くべきはGinaさんご夫妻、青海省へ旅行に来られた帰り、ロンドンへのトランジットで北京に3日間だけ滞在、 偶然にもちょうど王さん博物館セレモニーのタイミング、お声をお掛けしましたらば「是非!」という事で参加されたのです。  やはり苗には目には見えない、人を結びつける強ーい力があるのだと改めて実感したのでございました、はいっ。

東韻博物館 地図
東韻博物館 地図

 

東韻博物館 ※現在、完全予約制との事、前日迄にお電話でご予約の程を。(日本語可能なのは王氏のみ、秘書の方が出られた場合は中国語しか通じません) 入館料80元(お茶・点心付き)120元(お食事・お茶・点心付き)

 

追記:2014年1月19日現、詳細を記したHPを見つけましたので、リンクしておきます。↓

●JTBのHP:「北京東韵民族芸術博物館」
●北京博物館・芸術博物館HP:「北京東韻民族芸術博物館」