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子供達の故郷へ VOL1

8月11日(水)、仕事がひけてから19:10北京発の飛行機でピューッと貴陽ヘ、ひとっ飛び、2時間半。

今年5月に刺繍学校を訪問した際、『子供達の生活が見えない。3ヶ月に一度は足を運ぼう』と心に決め、今回はそれを実行する為の旅でも あり、素敵な刺繍君との巡り合いを楽しむ旅でもあり、そしてもう一つ、バスに乗って1時間、そこから歩いて2時間という子供達の故郷を見たい! という想いを胸に詰め込んでの旅。

がー、事前に誰にも連絡しないで出発した、『きっと何とかなるさ』の旅でした。

翌日、貴陽(体育館のバス停)から豪華バス(金龍製のバスで40元)に乗って(快適!)高速走ること2時間ちょっと、凱里に到着。8年前に初めて 来た時、ガタゴト道を5、6時間はかかった。確かに便利にはなった。 でも、あのなんともいえない落ち着いた、森の延長のようなしっとりした街は もうない。

先ずはお宿探し。以前泊まったことのある国泰賓館は230元で、まけてくれない。フロント態度も横柄。お客さん多いんだろうなー。  新しいホテルも増えていそうだったので、ブラブラ探し当てたのが超お勧めホテル、鴻祺(Hong Qi)賓館。料金はツイン140元、シングル110元。 今年の3月にオープンしたばかりの部屋、シャワー共にとっても清潔で、ミネラルウォーターも2本サービス、服務員の態度もグーッ! 3泊したけど、 一度も不快な思いをしないで(これ、中国では希少)大変快適だった(3泊もしたのに写真を撮るのを忘れちゃいました)。場所は大十字の交差点を 凱里博物館の方へ歩いて100mほどの左側。

早速、苗(ミャオ)さん達の集う、営盤坡(YingPanPo)賓館(昔、ホテルが少ない頃よく利用した。確か1泊20元くらいだったかなー。 現在改装中で今月18日からオープンとのこと)付近へ。刺繍君が見たくてしょうがない僕は、もう鴨ネギ状態。 えーい、うどんもつけちゃえーって感じで歩いてた。  『おー ズオトン(私の名前の中国語読み)、ズオトン。うち来て刺繍見てくれ~』 と、引っ張りだこ。  次から次へと違う顔の刺繍君が『ズオトンさん、こんにちは!』  あ~幸せ~、好きにして~  ご飯もいれようか?

でー、スッカラカンで放心状態の僕に見かねたミャオの友達がご馳走してくれることに。(とほほほほ)

 

苗の皆と宴会
苗の皆と宴会

 

張老師 
張老師 

 

北京の刺繍鑑賞会の先生(Mei)も、さっき汽車で凱里に到着したばかり。家にも帰らず、来てくれた。 うんめー酸湯鶏(鍋料理の一種)をむしゃぶり、ビールをぐぃぐい、うみゃーうみゃー 皆で刺繍談議とあいなりました。
『古い刺繍はもう殆どなくなった。売ってしまったらそれでもうなくなってしまう。』 『生活に困っていなければ誰も売りたくないんだよ』 『先日、苗(ミャオ)の一人が中央電視台のお宝拝見に出演、彼女の持っていた少数民族の衣装になんと15万元(約200万円)の値がついた』 『いつかお金が貯まったら、世界へ流出した刺繍をぜーんぶ買戻し、ここに博物館を建てたい』
凱里の刺繍マーケットは毎週金曜と土曜の2日だけ。ん?今日は木曜? やったー! 2日も刺繍君が見られる! このマーケットはある1本の通りに集まる。 バイヤーが山奥まで入り込み、直接刺繍君を買い付けて来たものを売ったり、 自分の刺繍君を売ったりする刺繍卸市場。 苗達の情報交換の場所でもあり、5元払えば誰でもスペースがもらえ商売できる。 買っているのは殆ど刺繍君を商売にしている苗族。 なのでこのマーケットは一般の人にはあまり教えない。

『みんな、明日何時に行く?』  『ぬけがけして先に行っちゃーだめだぞー』  『この人、この前、朝4時半に行ったんだよー。』 『お客さんどころか、売っている人もいなかった…』 『ワッハッハッハッハー(爆笑)』

で、朝6時半に待ち合わせ。 ホテルを出て、苗(ミャオ)版おにぎりを買っていると、携帯電話が鳴り、 『起きたー?』 『今、そっちに向かっているよー。すぐ着くから』 『先行くよー』 『待っててよー!』
苗版おにぎりの御紹介! お釜に入ったもち米に、唐辛子味噌、おしんこ、ピーナッツ、豆腐干、海草などを具にして握ってくれる。 日本のおにぎりの様に三角ではないけれども。。。ホッカホカの1個、1元。 これがまた、うみゃー ご飯の上に載っているのはサラミのようなソーセージをスライスしたもの。

苗版おにぎりの具
苗版おにぎりの具
制作中~
制作中~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、これは元祖おにぎり。 やっぱり日本人のルーツは苗(ミャオ)なのかなー   お客さんが絶えません。

出来上がり~♪
出来上がり~♪
大盛況!!
大盛況!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、まさに刺繍君のお花畑。ミャオ族、ドン族、イ族、広西チワン族など少数民族グッズ君達が咲き乱れます。

 

刺繍の山
刺繍の山
刺繍の山・山
刺繍の山・山
刺繍の山・山・山~
刺繍の山・山・山~

 

 

 

 

 

 

 

 

新しいバイヤーの刺繍君が到着すると、待ってましたとばかり、あっという間に皆に取り囲まれる。 クリスマス特売セール状態!
でも、叩き売りはしません。

群がるっ群がるっっ
群がるっ群がるっっ

確かに苗の皆が言う、良いものは少なくなった。殆どないといっても良い。
しかし、お母さんやおばあさんが子供や孫の為に愛情こめて刺した温かい刺繍君達が、
ここにはまだまだ沢山ある。僕にとっては最高のワンダーランド!
そんな綺麗だったり、可愛かったり、もの凄く細かかったりする刺繍君達に囲まれた僕は、
すっかり時間を忘れ、夢心地でこの通りを行ったり来たりするのでした。 幸せ~

by 雅