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Collection #00020 施洞 (シードン)・刺繍帯

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ロマンティックなお話を1つ。。。
苗の里には「姉妹節」という年に一度のビックイベントがあります。娘達はこの日の為に日々丹精込めて作った刺繍の衣装を身にまとい、練り歩きます。
刺繍の腕が良いほど=能力が高く、根気強い、働き者=良い娘・良き妻。という方程式が成立し、刺繍が上手い娘程もてる。だからこそ皆こぞって技を磨いたと言われています。出会いの機会が少ない村の若者にとって、この姉妹節は正に出会いの場であり、発表の場。その場で見染められた娘は男衆から交際の申し込みを受ける。・・・その返事がOKの場合、娘は前もって準備していた「花帯」を男性の首に掛ける。それが了承の返事となるのです。

その「花帯」が本日ご紹介するこの帯です。

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実に繊細な糸で艶やかに刺されたこの刺繍帯には、娘の弾む思いが輝きとなって現れています。
↑は総刺繍の帯(無地の布で裏打ちしてあります)ですが、織帯と刺繍部を連結させたバージョンも有り、↓
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細長い短冊状の布に刺繍を施し、
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中心部を無地平織した帯に縫いとめる。
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いづれも神々しい程に美しいのです。花帯は腰に巻く用途で作られますので、幅4.5~6㎝・長さ200㎝前後。

↓は衣装の合わせ部分に用いる小帯。幅2㎝・長さ40㎝前後。1対で作られます。
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帯にも染め直しの文化が有る様です。
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上段:オリジナル。中段:洗いを掛け色がにじむ。下段:藍で染め直し。

用途・機能
地域や支族施洞(シードン)
主な刺繍技法
主な素材絹糸
主なモチーフ
年代1900-1950年頃
備考