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苗(ミャオ)工房

 以前から、僕らにとって、刺繍学校のイメージは自然の中に佇む苗族独特の木造りの民家、木房でした。  貴州の四季が織り成す美しい景色にすっぽりと溶け込む、あの木房。

瓦屋根が美しい木房
瓦屋根が美しい木房

そこで子供達が元気に生活し、苗族のお年寄りが集う。 世界中の手作り好きな人達もそこに集まる。そんな中で苗族の伝統が後世へと受け継がれてゆく。 これが僕らの目指す刺繍学校でもあります。

昨年末、馮金国から『ダム建設によって村が沈んでしまう剣河の木房が売りに出ている』という連絡が入りました。考えあぐね、我が家の人民銀行総裁とも相談し(笑)、刺繍学校の新たな未来、そして更なる展開を目指そう、ということで雅瑞、決断致しました!

購入したのは二棟。一棟は子供達の教室と刺繍工房に、もう一棟は子供達の宿舎兼お客様用の居住空間にと。年末から早速、移築が始まりました。 移築先は現在の刺繍学校から歩いて10分程の、馮金国が『あそこへ遊びに行ったらば帰って来たくない程、とても気持ちいい所』という場所。そこの川のほとりを選び、風水の先生に見てもらったところ、『誰が、ここを選んだのか!? ここは、この地域でも最高の場所だ!ここで勉強した子供達は将来必ず出世する。』って。 やったー!
子供達の将来に夢が益々広がりました!

 

 全貌がほぼ見えてきた1号楼(教室&工房)と、まだ柱だけの2号楼(宿舎)
全貌がほぼ見えてきた1号楼(教室&工房)と、まだ柱だけの2号楼(宿舎)
手前左は役目を終えた水車小屋、右が工房。
手前左は役目を終えた水車小屋、右が工房。

 

地鎮祭。 中国でも家を建てる時、日本と同じ地鎮祭の様な習慣があるそうです。 もっとも、苗族は日本人のルーツとも言われているだけに、この習慣も中国から伝わって来たのかもしれません。 僕らは立ち会う事は出来なかったけれども、馮金国の話によると、その際、とても不思議な事が起こったそうです。   朝から小雨模様だった当日、地鎮祭を始める為、馮金国がお線香に火をつけた。 と、その途端、突然空が明るくなり、雲の切れ間から太陽が覗いたって。  本人も『ありえない、ありえない。 本当に驚いた!』と言ってました。 幸先良いかも!

1号楼2階、紅春、春蘭、宋小英、劉祝英(小英)
1号楼2階、紅春、春蘭、宋小英、劉祝英(小英)
大工さん作業風景
大工さん作業風景

 

 1号楼2階からの眺め。
 1号楼2階からの眺め。

子供達がここで元気に生活し、多くを学び、そして、養蚕、糸紡ぎ、草木による染色、そして織、刺繍、全ての工程を自然の力を借り、人の手で作り上げる苗(ミャオ)さん伝統技術の継承をこの工房で目指します。 また、木房離れが進む苗さん達にも『木房を快適に住む』を提案していけたらと。
いつ完成する事やらですが、完成しましたらば、是非皆さん遊びにおいで下さい!

 

 

追記:2006,10現在、新校舎・工房の移築・引越しも無事終わりました。完成後の写真は 「夏・川・苗っ子」の写真でご覧頂けます。