新しい展開 VOL.4 

1月2日(日)朝

いよいよその時が来た。 昨日の楽しかった事を皆でお喋りした後、馮金国から雅瑞の考えを子供達に話してもらいました。

真剣に聞き入る子供達
真剣に聞き入る子供達

禾苗刺繍学校。。。  2001年の春節、馮金国、馮天秀とご主人の張校長と雑談していた時、素晴らしい苗(ミャオ)の伝統である刺繍が、ここ刺繍の故郷と言われる台江から消えつつある事、そして、台江には貧しくて学校へ行けない子供達が沢山いるという事を知った。
だったら学校へ行けない子供達を集めて、無償で苗の刺繍、織、歌、踊り、そして文化を学び、更に社会に出ても困らない様に普通語や算数、ついでに片言の日本語を勉強出来る学校をつくろう!
それに、僕らの大好きな素晴らしい苗の伝統を後世に繋いでゆくお手伝いがほんの少しでも出来たら、そんな想いでその年の5月、なんとか開校にこぎつけた。 

そして、その後多くの方々からのご理解、ご協力とご厚意により、少しづつ生活環境も改善し、お蔭様で、今でも6人の子供達が元気に学んでいる。刺繍の技術も皆目に見えて向上している。

でも、雅瑞にはずーっと葛藤があった。  それは子供達の教育の事。
禾苗刺繍学校でも出来る限りの教育を子供達にと改善してきたが、この学校で子供達に与えられる教育にはやはり限度がある。
何より、我々が常に見ているわけではないので、本当に満足いく授業が行われているのか、その確認も難しい。 

貧しくて学校へ行けない子供達。。。 本当は他の子供達と同じ様に普通の学校に行きたいのでは…
もし、普通の学校と刺繍学校、どちらかを選択出来るとしたら、子供達は迷わず普通の学校を選ぶのではないだろうか。
中には勉強が嫌いで刺繍学校を選ぶ子供もいるかもしれないが、それは子供を甘やかしてしまう事で、突き詰めると賛否両論あるだろうけど、貧困から脱するのに必要なのはやはり教育だと思う。
小、中学校程度の基礎教育はやはり受けるべきだと思う。 そして子供達の可能性を広げてあげるのが僕らの役目だと。

馮金国 『皆、良く聞いてくれ。 ここでの教育が本当に皆の為になるものなのか、いや、皆の為にならなければいけないという事で、ズオトン夫婦からこういう申し入れがあった。皆には他の子供達同様、小学校に通ってもらう。そして、学校から帰って来たらば学校の宿題はもちろん、毎日刺繍も自習する。毎週末には先生に来てもらい、例えば土曜日午前中4時間、刺繍と織りの勉強、日曜日に2時間程歌と踊りを勉強する。もちろん授業料、宿舎、食事全てFree』

〔この件、本来であれば先ず、ご賛同、ご協賛頂いている皆様に、ご相談しなければいけないという事、重々存じております。 何卒ご容赦下さいませ。しかし、禾苗刺繍学校の方針に何ら変わりございません。授業の方法が変わったという事でご理解頂ければ何よりです。〕

果たして、子供達の反応は。。。

英は『うんうん、謝謝、謝謝』と、とても喜んでいる。英は勉強好きだもんな。
菜、新、紅春はちょっと戸惑っている様子。
どうやら、学校へ行けるのは嬉しい反面、もう何年も学校へ行っていないし、背も高くなってしまったので、自分達より年下の子供達と一緒に勉強するのは恥ずかしい、という事らしい。

中国では、こういった地域で例えば18歳の人間が子供にまざって小学校へ通うという事は日本ほど珍しい事ではないのだが、やはり女の子なので恥ずかしいには変わりない様だ。
もっと早くから学校へ入れてあげられていたら。。。と思うと子供達に申し訳なさすら感じる。。。

でも『皆で同じクラスに入れば恥ずかしくないよ。』 『何年生には入ろうか』なんて話になって来た。
うん、うん、良い感じだ。基本的には皆、賛成! よかったよかった。
 後はここにいない榜、寿、そして家の都合で帰ってしまった嫦にも話してもらう事にした。 

でも、ほんとに刺繍と学業の両立、上手く出来るだろうーか。。。
うん、今までの経験も在る。 とにかく、始めてみよう。 それから諸々の問題を解決していこう。

今年は2月9日が春節(旧正月)ですが、この春節が明けてから始める事にしました。
子供達は剣河という所から来ています。 以前、剣河は台江県に含まれていましたが、昨年から別の県になってしまいました。
別の県の子供が台江の学校に通うには毎月一人400元(約\5,300)がかかります。
しかし! 学校入学手続き含め、台江県台拱鎮の副鎮長である馮金国が『任せておけ』と言ってくれました!
馮金国、やるやるとは聞いていたけど、やっぱりやるときゃやるのー! よっ!男、馮金国!
そして、ちょうど現在の刺繍学校のある部屋の契約が切れ、引っ越さなければいけないので、馮金国には宿舎探しもお願いしました。

先ずはホッ。。。
でも、どうなるかまだまだ分かりません。 子供達は春節に故郷に帰って家族と相談します。
春節明け、皆元気に揃って戻って来てくれればいいのですが…
皆様と子供達にとって、今年一年、素晴らしい年になります様心よりお祈り致します。